‘ペースを変える’ことによってマンネリ化を防ぐ

 マンネリ化を防ぐためには、‘ペースを変える’という方法もある。

 ‘ペースを変える’というのは、‘ていねいさの度合いを変える’と表現してもいい。


 例えば、1ページに一つの読み切りの話が載っているタイプの英文購読用の本を買って、毎日1ページずつ読んでいたとする。

 本の内容は、自分にとって少し難しく、意味をはっきりとわからない単語や熟語が数多いので、読んでいきながら、その過程で、そういう類の単語や熟語は全て辞書を使って調べ、その意味を本の中に書き込んでいく。

 どれだけ理解できたか自分でチェックするために用意されている設問にも全て答えて、後で解答を見て、自分で赤鉛筆などで添削をする。

 こういうていねいなやり方で学習をしていたとする。

 そういうやり方に‘飽き’や‘疲れ’や‘いや気’を感じ始めた時が、ペースを変えてみるチャンスである。

 例えば、わからない単語や熟語を辞書で調べるのは、1ページにつき、多くとも5回までとする。

 まず一つの話を、辞書を使わずにざっと読み、特に難しいと思える単語と熟語だけを5個選んで、それらを辞書で調べて意味を書き込んでおく。

 後はわからない言葉があっても、ある程度推測できるものは、調べずに放っておくのである。

 設問も、いちおう問題文だけを読んで、自分で答えを出す前に解答を見て、内容を理解する補助にだけはしておく。

 こういうふうにパターンを変えると、内容の理解度は落ちるが、それまでと比べて1ページの購読に要する時間は短くなるので、余った時間を、別の種類の学習に充てるか、または一日に2ページのペースに変えればいいのである。

 そして、このようなやり方にも飽きてきたとしたら、さらに、ていねいさの度合いを低くして、ペースを速めてみることもできる。

 今度は、わからない単語や熟語を辞書で調べるのは、1ページにつき、多くとも2回までとする。

 読み終わった後、設問には全く目を通さないで、読んだ文章の内容をある程度おおまかに理解できていると自分で感じられれば、それで良しとする。

 こういうふうにすると、1ページの購読に要する時間はさらに短くなるので、余った時間を、別の種類の学習に充てるか、または一日に3ページ以上のペースに変えればいいのである。

 こういうふうに、ある種の学習におけるていねいさの度合いに関して、いくつかのやり方のパターンを経験的に知っていれば、その日の気分や体調や、テキストの内容によって、どのパターンを選ぶかを決定することもできるわけである。

 いくつか例を示そう。

 これまでに紹介してきたやり方を、ていねいさの度合いの順にA・B・Cとする。

 例えば、今日は疲れているからCのやり方にしておこう、というふうな考えを持つこともできる。

 また例えば、ここのところCのやり方を続けてきたけれど、やはりもっとていねいにやったほうがいいと感じ出したのでAのやり方にもどそう、というようなパターンもある。

 さらに例えば、今日はAのやり方でやろうと思っていたけれど、眠くなってきたのでBのやり方に変えようとか、Cのやり方でやろうと思っていたのだけど、内容が相当に難しいのでこのページはAのやり方でやっておこう…、等々のパターンもある。

 こんな感じでやっていると、各ページの理解度のレベルにムラができてくるが、あまり気にしないことだ。

 そもそも、こうしたざっくばらんさを自分に許してあげることが、ひとつの教材やテキストを最後までやりとげるコツなのである。

 理解度のムラの調整に関しては、復習のために、二度目に同じ本を読み進めていく時に、例えば、Cのやり方でやっていた箇所を、今度はていねいなやり方でやる、などの工夫をすればいい。

 また、1ページごとに一つの話が載っているようなタイプの本は、前のほうのページから順々にやっていかなければならない、というような制約も無いことを知っておくべきである。

 あまりにも几帳面に、最初のページから順に、同じようなやり方でテキストをこなしていくことにこだわり過ぎていると、挫折する可能性が高くなる。

 ストーリーのタイトルを見て、興味の持てそうなものから順にやっていくようにしてもいい。


 英文購読用テキストの学習に関して、ていねいさの度合いのパターンを変えるやり方を書いてきたが、これは単なるひとつの例に過ぎない。

 しかし、このようにペースを変えることによって、マンネリ化が解消され、一つの学習法の持続が容易になる、というのは全ての種類の学習法に言えることなので、あらゆる学習法に関して、これを応用するようにするといいと思う。

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