学習動機の維持のために

言語活動の4技能

 言語活動には読む・書く・聞く・話すの4技能がある。

 総合的なコミュニケーション能力を伸ばすために外国語学習を行っているのであれば、(自国での独学による学習の場合)読む・書く・聞く・話すの4技能のうち、どれかに重点を置いて学習するという選択のバリエーションが最初から与えられているのである。

 例えば、リスニングの練習をするのに‘飽き’や‘疲れ’を感じたら、リーディングの練習、あるいはライティングの練習、スピーキングの練習をするように、学習のタイプを変化させることもできる、ということだ。

 このことが頭に入っていると、学習動機の維持のために役立つことが多い。

 4技能のうち、どれか一つを重点的に鍛えることは、他の3技能の能力アップにも間違い無くつながる。

 例えば、英語を読む練習をすることは、英語を書いたり聞いたり話したりする能力を高める練習にも確実になっている、ということである。

 これは、外国語学習において、暗記によって知識を増やす、ということが非常に大きな要素を占めているからだ。

 例えば、教材が何であれ、‘読む’練習をすれば、その過程でたくさんの単語や熟語を必然的に暗記していくことになる。

 それは、‘書く’‘聞く’‘話す’能力の向上にも貢献していることになるわけである。

 だから、各人それぞれ、この4技能のうちどれか一つを重点的に鍛えたいと考える人も多いかもしれないが、それに飽きや疲れを感じたら、他の3技能の訓練に移行してみるのも、良い気分転換の方法だと言える。

 言語活動の4技能のうち、どれに重点を置いて学習したいと欲するか、また、どれに重点を置いて学習するべきか、と考えるかは、各人の‘好み’や‘信念’の表れやすいところである。

 4技能のうち、特に自分が苦手としている部分を克服するために、その苦手な技能を鍛えたいと思う人も多いだろう。

 4技能のうちの一つを鍛えることに‘飽き’や‘疲れ’を感じたら、他の3技能の訓練に移行してみるのも良い方法であることを書いたが、どれか一つに重点を置いて学習し続けることにも何ら問題はない。

 もしそれが、自分にとって一番心地よい学習法であり続けるのだとすれば、である。

 例えば、4技能の能力を総合的に向上させたいと思いながらも、リスニングの練習が大好きで、どうしてもリスニングの練習ばかりをしてしまう、という人も、自分の学習法がバランスを失しているのでは、などと不安になる必要はない。

 既述のとおり、4技能のうちどれか一つを鍛えることは、他の3技能の能力アップにもつながるのだから、自分の大好きな学習法を回避する理由は何もない。

 どれほど好きな学習法も、長く続けているうちには‘飽き’を感じることもあるかもしれないので、その時に、4技能の別の面も鍛えることを考えればいいのである。


 学習動機の維持のためには、4技能のうちのどれか一つに重点を置いた学習を続けながらも、少しだけ学習の種類を変えてみる、という気分転換の方法もある。

 例えば、英会話学校に通ったりテキストを使ったりして、‘話す’練習をしていたとする。

 そして、特に、表現豊かに会話ができるようになることを目標として、ボキャブラリーを増やしたり、例文を暗記することなどに、ひたすら努力していたとする。

 しかし、そうした学習をすることにちょっと疲れを感じたら、少し視点を変えて、発音やイントネーションを正しくする練習に力を入れるようにしてみる、という方法などもある、ということだ。

 つまり、同じ‘話す’練習の範疇の中でも、別のタイプの学習に切り換えることによって、マンネリ化を防ぐのである。

 言語活動には‘読む’‘書く’‘聞く’‘話す’の4技能があるわけだが、外国語学習は、それらの練習のそれぞれに、いろいろなバリエーションを見出せるほど、非常に多くの側面を持っているものなのである。

 だから、ある一つの学習のやり方に‘飽き’や‘疲れ’を感じ始めた時、それでも4技能のうち、どれか一つを鍛えることにこだわり続けたい場合などは、他の3技能のどれかの訓練に移行するのではなく、学習のタイプを少し変化させることによって、学習動機の維持を計ることもできるわけだ。

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英語の学習法・概説(目次)